つぎはいよいよ相続税の申告と家、土地の相続登記(名義変更)の手続きです。相続税の申告は10カ月以内と期限が近いので要注意です。相続登記のほうは3年とまだ余裕がありますが売却や処分の手続きを考えてここで触れておくことにします。

こういう手続きってドキドキですよね……
どちらも相続人だけでもできる手続きですが、相続財産がシンプルだったり、相続人が一人だけだったりする時だけにしたほうが良さそうです。
必要書類を集めたり申請書を記入したりと時間や手間がかかりますし、書類の不備がないかどうか不安な面もありますので、専門家に依頼することを検討しましょう。

相続税の申告が必要となる人は?
相続税は「相続財産が基礎控除額を超える場合」は、申告が必要になる可能性があります。
基礎控除額は、
3,000万円+600万円×法定相続人の数
で計算されます。
例:相続人が2人なら基礎控除額は 3,000万円+600万円×2=4,200万円。
これを超える財産があり、相続税がかかる場合は、申告が必要になります。

相続財産がこの基礎控除額以下なら税金はいらないんだね!
相続税の申告期限
- 相続開始(親の死亡)を知った日の翌日から 10か月以内
- 期限を過ぎると延滞税や加算税がかかる可能性があるので要注意です。
相続登記(不動産の名義変更)
2024年4月から、家・土地の相続登記は義務化されました。
相続によって不動産を取得した場合、3年以内に登記申請をしなければならないと法律で決められています。(ただし例外的な手続きや猶予が認められるケースもあります)
登記に必要な書類
- 登記申請書
- 不動産の登記事項証明書
- 親(被相続人)の出生から死亡までの戸籍(除籍)謄本と住民票の除票
- 相続人全員の戸籍謄本
- 相続人全員の印鑑証明書
- 不動産を相続する人の住民票(新しい名義人)
- 固定資産評価証明書(固定資産課税明細書)
- 収入印紙
- 遺産分割協議書(相続人全員の署名・実印押印済)←遺産分割協議で相続人を決めた場合に必要
- 遺言書←遺言書で不動産を相続する人が指定されていた場合に必要
- 相続関係説明図*(戸籍・除籍謄本の原本の還付を希望しない場合は不要)
上記のようなものが必要になりますが、
- 遺産分割協議で相続人を決めた場合
- 法定相続分の相続の場合
- 遺言書がある場合
の3通りで、用意する物が違うので、法務局|相続登記に必要な書類(PDF) <<こちらの法務局提供のPDF資料を見て用意するのが安心です。
👉登記申請は法務局で行いますが、手続きが煩雑なため司法書士に依頼する人が多いです
*相続関係説明図→主な法定相続情報一覧図の様式及び記載例

不動産を売却する場合|解体費用はどうなる?
相続登記を済ませてからでないと原則として売却はできません。(例外はあります。たとえば、抵当権がついている不動産や共有名義の不動産など)
- 不動産売却査定サービスを利用して複数社から見積もりを取る
- 空き家のまま維持するか、リフォームして活用するかも検討
- 解体が必要な場合は解体業者の見積もりも
👉 高額な取引になるため、複数の業者を比較して判断するのがおすすめです

解体費用は、マイナス相続遺産にはならないの?

解体費用はマイナス遺産にはならない場合が多いんです。基本的には不動産を相続した新しい所有者が負担することになります。*
*原則としてマイナス遺産として扱われにくいですが、解体費用が土地の評価額を上回る場合や、容易に売却できない土地であっても多額の固定資産税を負担し続けなければならない場合など、相続者の負担があまりに重いケースでは、相続者全員が納得できる遺産分割に着地できるよう裁判をすることもあるようです。
👉他にも様々なケースがあると思います。不動産相続で揉めそうなときはぜひ弁護士に相談しましょう!
まとめ
相続税の申告は「10か月以内」、相続登記は「3年以内」と、それぞれ期限があります。
どちらも放置するとペナルティを受ける可能性もあるため、できるだけ早めに準備して、専門家に確認しながら進めると安心です

